イギリスのロックバンド Queen(クイーン)の楽曲「Made in Heaven」は、もともとは フレディ・マーキュリーのソロアルバム『Mr. Bad Guy』(1985年)に収録されていた曲。その後、Queenバージョンとして再録され、1995年にリリースされたアルバム『Made in Heaven』に収録されました。
フレディーの力強いボーカルで、「これは天国で作られたもの(Made in Heaven)に違いない」と、愛や運命について語る詩は、「彼の遺言のような1曲」として、ファンにとって非常に感慨深いものになっています。

このアルバムジャケット、右手のこぶしを突き上げたフレディのいる場所が、スイスのモントルーです。
1978年にQueenがモントルー・ジャズフェスティバルに参加し、同年、アルバム『Jazz』をモントルーでレコーディング、そして、フレディはモントルーに魅了されました。

喧噪から離れ、心の平安がほしいと願ったフレディでしたが、最初はモントルーを「退屈な田舎町」(sleepy old town)と感じていたようです。
しかし、やがてその静謐さを気に入り、HIVに感染したと思われる1987年以降、スイスでの暮らしに馴染んでいきました。

病気が進む中、モントルーの静かな環境が居場所となり、『A Winter’s Tale』などの作詞に影響を与えました。
この曲は、レマン湖を望むモントルーのペントハウスの窓の外の穏やかな冬景色に心を動かされて書いたとされています。
希望と静寂、そして「命の終わりが近いことを感じながらも、自然の美しさに感動している」ような雰囲気が、柔らかい旋律とともに表現されています。
この曲のレコーディングが1991年5月にモントルーで行われ、それが最後の収録セッションとなり、その後7月にはロンドンに戻っています。
フレディが最初に住んだのは、通称「Duck House」(ダックハウス)と呼ばれる湖畔の家で、Queen購入のMountain Studioに隣接していました。ここが、『Made in Heaven』のジャケットにも登場する場所です。

後年は、テリテ(Quai des Fleurs沿いのLes Tourelles)のベル・エポック様式の高級ペントハウスを購入し、パートナーやアシスタントと共に暮らしました 。
モントルーのカジノ内にある「Mountain Studios」は、1978年からQueenが利用し、1979年に彼ら自身が買い取り、『Jazz』『Made in Heaven』など、多くの作品がここで制作されました。
2013年、そのスタジオは「Queen: The Studio Experience」として博物館化され、ミキシングデスクやマーキュリーの歌詞原稿などを展示しています。

モントルーの湖畔「Place du Marché」には、1996年、チェコ人彫刻家イレナ・セドレッツカーによるフレディの銅像が設置されました。高さ約30m、レマン湖を背景に、「Made in Heaven」でも見せたこぶしを突き上げたポーズ!

完成式典には、QUEENメンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーが出席しました。
ファンは毎日この像に花を手向け、1990年代からは毎年9月第1週末に「Freddie Mercury Memorial Day」が開催されています。
モントルーは、音楽ファンにとってマーキュリーゆかりの地をじっくり巡れる素晴らしい町です。銅像のそばを散策し、スタジオ博物館を訪れると、彼のレガシーを感じることができます。

Références (参考文献)
24heures.ch
larivieramag.ch
telerama.fr
myswitzerland.com
Direction (アクセス)
「Queen: The Studio Experience」は、モントルー(Montreux)駅から徒歩10分です。
カジノ内にあります。
フレディ・マーキュリーの銅像は、駅とスタジオの間の湖沿いにあります。
ほかに、B.B.キングやレイ・チャールズ、トランペット奏者のマイルス・デイヴィス、ジャズ界最強のプロデューサーといわれたクインシー・ジョーンズ、女性ジャズ・ヴォーカリストのエラ・フィッツジェラルドやアレサ・フランクリンの像もみられます。




