スウェーデンの大手家具販売会社イケア(IKEA)の創業者である、イングヴァル・カンプラード(Ingvar Kamprad)氏が28日、91歳で亡くなりました。

50年近くスイス・ローザンヌで暮らしましたが、数年前に故国スウェーデンに戻ったことがスイスでも話題になっていました。
最後は、スウェーデン南部の自宅で死去しました。

イケアは「カンプラード氏は家族や世界中のイケアの同僚たちから惜しまれ、温かな思い出とともに記憶されるだろう」と弔意を示しました。

カンプラード氏は1926年にスウェーデン南部スモ―ランド(Smaland)地方で農業を営む家庭に生まれ、5歳のときから近所や同級生相手に商売を始め、ビジネスの才能の片鱗を見せていました。
17歳のときに自宅のリビングを事務所に会社を作り、イケアを創業、一代で世界的大企業まで押し上げました。

イケアの名の由来は、I.Kはカンプラード氏本人のイニシャル、Eは両親の農家「Elmtaryd(エルムタリュード)」の名前、Aは出身地であるスモーランド地方の村「Agunnaryd(アグナリッド)」からきています。

大手同業他社の製品よりも価格を抑えた独特な販売戦略が今日のIKEAを作りましたが、ビジネスにおいても、プライベートでもユニークな発想が度々話題になりました。
たとえば、3人の息子たちを平等に扱うため、3年ごとにIKEAの社長の座を交代で担わせています。

プライベートでは、「何よりも私は謙虚であることに最大の価値を置いている」という言葉の通り、世界で4番目の金持ち(2007年 フォーブス誌)の雰囲気を感じさせない質素な暮らしぶりが話題となりました。

時代遅れの古いボルボーに15年以上乗り続け、服はフリーマーケットで購入しているという発言は、「清貧イメージ」を損なわないための戦略とも言われていましたが、ローザンヌ近郊でも、スーパーマーケットのポイント収集には抜かりがなく、地元のパン屋では夕方半額になる頃を待っていたように現れる姿を語られています。

スイスに2000万ドルの家を所有し、高級リゾート地に豪邸は持っているけれども、家具は全てイケアのものだそうです。
3人の息子はスイス国籍を所有しています。

フランス語でニュースを見る → Le fondateur d’Ikea Ingvar Kamprad est mort à l’âge de 91 ans